母集団形成とは?13の手法と必要人数の逆算方法・課題別の解決策

母集団形成とは?13の手法と必要人数の逆算方法・課題別の解決策
目次
  1. 母集団形成とは応募者を集める活動のこと
    1. 母集団形成の意味と読み方
    2. 母集団形成が難しくなった3つの構造変化
    3. 「量」ではなく「要件に合う量」を集める
  2. 母集団形成に取り組む4つのメリット
    1. 計画未達を早期に把握できる
    2. 採用単価を抑えられる
    3. ミスマッチと早期離職を減らせる
    4. 採用ノウハウが社内に残る
  3. 必要な母集団数を逆算する方法
    1. 母集団数は各段階の通過率から決まる
    2. 新卒採用の逆算:採用予定数100に対する実データ
    3. 中途採用の逆算:応募から入社までの指標
    4. 規模別・業種別に補正する
  4. 母集団形成の手法を4タイプで整理する(全13手法)
    1. 求人広告・求人媒体型の4手法
    2. ダイレクト型の3手法
    3. 接点・イベント型の3手法
    4. 自社資産・関係性型の3手法
  5. 自社に合う手法の選び方
    1. 「採用人数×専門性」で絞る
    2. 予算と工数で実行可能性を判定する
    3. 新卒と中途で選び方はどう変わるか
  6. 母集団形成を進める5つのステップ
    1. ①採用要件とペルソナを言語化する
    2. ②必要母集団数とKPIを設定する
    3. ③手法を選定し予算を配分する
    4. ④求人原稿と訴求を作り込む
    5. ⑤週次で数値を見て改善する
  7. 母集団形成がうまくいかない4つの原因と解決策
    1. 応募が集まらない
    2. 応募は来るが要件に合わない
    3. 選考途中の辞退が多い
    4. 手を動かす人がいない
  8. 母集団形成を改善した支援事例
    1. 建設・製造:媒体の見直しで若手採用に転じた
    2. 専門職:紹介依存から脱して有資格者を採用した
    3. 大量採用:不人気時間帯でも母集団を作れた
    4. 採用単価:紹介手数料の水準から大幅に下げた
  9. 母集団形成を外部に任せる選択肢
    1. 採用代行(RPO)で任せられる範囲
    2. 定額制と成果報酬型の違い
    3. トルトルくんの特徴
  10. 母集団形成に関するよくある質問
  11. まとめ
母集団形成とは、自社の採用要件に合う候補者を、選考に必要な人数だけ集める活動です。新卒採用では、採用1名を確定させるために平均1.77名へ内定を出しています。母集団は内定を出す段階よりさらに手前にあるため、必要な人数はそれ以上です。

採用計画を達成できた企業は、2026年卒で44.2%にとどまりました。従業員300人未満の企業では40.5%まで下がります。半数以上の企業が、予定していた人数を採用できないまま採用活動を終えているのが現状です。

未達の理由は企業規模によって異なります。300人未満の企業では「選考応募者が予定より少なかった」が77.4%で最多でした。一方、5,000人以上の大企業では「内定辞退が予定より多かった」が66.7%で最も多くなっています。中小企業の場合、採用未達の原因は選考よりも、母集団を十分に確保できるかどうかにあります。

母集団形成は「応募者を増やす活動」と捉えられがちですが、必要な人数は採用予定数から逆算できます。必要数を出さないまま手法を選ぶと、予算を使い切った段階で人数不足に気づきかねません。

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母集団形成とは応募者を集める活動のこと

母集団形成とは応募者を集める活動のこと

母集団形成とは、採用選考の対象となる候補者を集める活動を指します。求人広告への応募者、スカウトへの返信者、人材紹介からの推薦者、社員紹介の候補者など、選考の入口に立った人材の集まりが母集団です。

  • 母集団とは選考の入口に立った候補者の集まり
  • もともとは統計学の用語で、採用の文脈へ転用された
  • 「どの状態から母集団に数えるか」を社内で先に定義する

母集団形成の意味と読み方

母集団形成は「ぼしゅうだんけいせい」と読みます。「母集団」はもともと統計学の用語で、調査対象となるデータ全体を意味します。採用では、この定義から転用され、選考対象者全体を指す言葉として定着しました。

英語ではrecruitment pipelineやcandidate pool、talent poolなどが近い表現ですが、「母集団形成」に一対一で対応する英単語はありません。日本語なら「候補者集め」「応募者集団の形成」「採用の母数づくり」などと言い換えられます。

母集団に含める範囲は企業によって異なります。応募が確定した人材だけを数える企業もあれば、説明会参加者やスカウト返信者まで含める企業もあります。社内で数え方が統一されていなければ、採用進捗を正しく判断できません。母集団形成に着手する前に、「どの状態から母集団に数えるか」を文書で決めておく必要があります。

母集団形成が難しくなった3つの構造変化

母集団形成が採用の主要テーマになった背景には、採用市場の3つの変化があります。

人手不足が景況感と切り離されて固定化した

正社員の人手不足を感じている企業は、2026年4月時点で50.6%でした。4月時点として4年連続で半数を超えています。人手不足倒産は2025年度に441件発生し、3年連続で過去最多を更新。年度ベースで初めて400件を超えました。

〔出典:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年4月)」

景気が悪化すれば人手不足も緩和するという従来の関係は崩れ、景況感と人手不足感の乖離が広がっています。構造的な人手不足が続く状況では、「募集を出せば応募が来る」という前提では採用できません。

企業規模によって難易度が26倍まで開いた

新卒採用の需給は、企業規模によって大きく異なります。2026年卒の大卒求人倍率を規模別に見ると、300人未満企業が8.98倍、300〜999人企業が1.43倍、1,000〜4,999人企業が1.05倍、5,000人以上企業が0.34倍でした。

〔出典:リクルートワークス研究所「第42回 ワークス大卒求人倍率調査(2026年卒)」

300人未満企業の8.98倍は、学生1人に対して求人が約9件ある状態です。5,000人以上企業の0.34倍と比べると、約26倍の開きがあります。全体の大卒求人倍率は2027年卒で1.62倍でした。

〔出典:リクルートワークス研究所「第43回 ワークス大卒求人倍率調査(2027年卒)」〕

なお、規模別・業種別の求人倍率は2027年卒から公表が取りやめられました。規模別の数値は2026年卒が直近の公表値です。「2027年卒の規模別求人倍率」として掲載されている情報には注意が必要です。

選考の早期化で接触の機会が前倒しされた

内々定・内定出しを卒業年次前年2月までに開始する企業は、2017年卒の1.2%から2026年卒には41.4%へ増えました。2027年卒の予定では53.3%に達します。3月の広報解禁を待ってから動き始めると、募集開始時点ですでに有力な学生が他社の選考を終えているケースもあります。

中途採用でも企業と求職者の接点が増えています。2025年度下半期に中途採用を実施した企業は84.4%で、比較可能な2013年度下半期以降の最高値を更新しました。同じ人材を求める企業が増えるなか、どれだけ露出を確保し、早く接触できるかが採用成果を左右します。

〔出典:リクルートワークス研究所「中途採用実態調査(2025年度実績、正規社員)」〕

「量」ではなく「要件に合う量」を集める

母集団形成の目的は、応募数を最大化することではありません。応募者が多くても、採用要件に合う人材がほとんど含まれていなければ、書類選考や連絡の工数が増えるだけです。

要件に合わない応募が増えれば、書類選考の負荷が上がり、候補者への返信も遅れます。対応の遅れによって辞退が増えれば、せっかく形成した母集団も減っていきます。入口で候補者の質が合っていなければ、選考後半まで影響が及ぶでしょう。

母集団形成では、応募数だけでなく要件適合率も確認します。応募数だけを追い続けると、採用に結びつかない応募対応が増え、結果として採用単価も上がります。

母集団形成に取り組む4つのメリット

母集団形成に取り組む4つのメリット

母集団形成をあらかじめ設計しておけば、採用活動の進捗や費用を把握しやすくなります。主なメリットは4つです。

  • 計画未達を数値で早期に把握できる
  • 手法別の単価を比較でき、採用単価を抑えられる
  • 要件の言語化を通じてミスマッチと早期離職を減らせる
  • 実績データが社内に蓄積され、次年度の判断材料になる

計画未達を早期に把握できる

必要な母集団数とKPIを先に決めておけば、採用進捗の遅れを数値で把握できます。たとえば「1次面接に20名必要な時点で8名しか到達していない」と分かれば、同じ月のうちに手法や訴求を見直せます。

指標を決めないまま募集を続けると、不足に気づくのは採用期限の直前になりがちです。残り時間が少なければ、人材紹介への駆け込み依頼など、短期間で候補者を確保しやすい高コストな手段に頼らざるを得ません。

採用単価を抑えられる

母集団形成を設計すると、手法ごとの費用対効果も比較できます。応募単価や採用単価をチャネル別に計測すれば、成果の出ていない手法への支出を止め、予算を成果の出ている手法へ振り分けられます。

トルトルくんの支援では、整体院の採用単価を50万円から15万円へ、約70%削減した事例があります。通信営業では、人材紹介経由で80万円だった採用単価を15万円以下まで下げています。いずれも予算を増やしたのではなく、訴求内容と採用手法の組み合わせを見直した結果です。

ミスマッチと早期離職を減らせる

母集団形成の出発点は、採用要件の言語化です。必要な経験やスキル、価値観を文書にする過程で、人事と配属部門の認識差も見えやすくなります。募集前に認識を揃えておけば、選考基準にも一貫性を持たせられます。

採用要件が曖昧なままでは、入社後の評価軸にもずれが生じやすくなります。その結果、ミスマッチによる早期離職が起これば、採用費だけでなく育成にかけた費用や時間も回収できません。

採用ノウハウが社内に残る

手法ごとの応募数や通過率を記録していけば、自社で成果が出やすい訴求や採用チャネルが見えてきます。蓄積したデータは、翌年度以降の採用計画を立てる際の根拠にもなります。

記録が残っていないと、担当者が代わるたびに同じ検証をゼロから始めなければなりません。市場環境が変わっても、過去の実績と比較できる状態を作っておけば、次の打ち手を判断しやすくなります。

必要な母集団数を逆算する方法

必要な母集団数を逆算する方法

母集団形成では、まず集めるべき候補者数を決めます。採用予定数を起点に、各選考段階の通過率から逆算します。

  • 必要数は「採用予定数÷各段階の通過率」で算出する
  • 新卒は公的調査の指数データを初期値に使える
  • 中途は応募から連絡までの日数が結果を左右する
  • 企業規模と業種で通過率を補正する

母集団数は各段階の通過率から決まる

必要な母集団数は、次の式で算出します。

必要母集団数 = 採用予定数 ÷(書類通過率 × 面接通過率 × 内定率 × 内定承諾率)

たとえば、採用予定数2名、書類通過率30%、面接通過率40%、内定率50%、内定承諾率50%なら、必要母集団数は2÷(0.3×0.4×0.5×0.5)=約67名です。応募が67名に届かない見込みとなった段階で、手法を追加するのか、採用要件を見直すのかを判断できます。

通過率には、自社の過去実績を使うのが基本です。実績が残っていない場合は、公的調査の平均値を初期値として設定し、一定期間運用した段階で自社の実績値へ置き換えます。

新卒採用の逆算:採用予定数100に対する実データ

新卒採用では、公的調査から逆算の基準となるデータを確認できます。2026年卒の採用実績を「採用予定数を100」として指数化すると、内定出し人数177.0、内定辞退人数87.0、最終的な内定人数89.0でした。

区分内定出し人数内定辞退人数内定人数
全体177.087.089.0
充足できた企業184.988.596.1
未充足だった企業167.785.580.3

〔出典:インディードリクルートパートナーズ リサーチセンター『就職白書2026』

上表からは3つのポイントが読み取れます。まず、採用1名を確定させるために必要な内定出しは平均1.77名分です。また、内定を出した人数のうち約49%が辞退しています。

採用計画を充足できた企業は内定出し人数が184.9だったのに対し、未充足企業は167.7でした。辞退率は充足企業47.9%、未充足企業51.0%で、差は3.1ポイントです。内定辞退率の差よりも、そもそも内定を出せた人数の違いが充足率に影響していることが分かります。

学生側の行動データも逆算の参考になります。2026年卒の学生1人あたりの平均は、プレエントリー24.22社、エントリーシート提出12.43社、Web面接7.62社、対面面接5.08社、内々定・内定取得2.85社でした。プレエントリーから書類提出までに、およそ半数へ減る計算です。企業側が個人情報の登録を得た段階から母集団として数える場合、実際に選考へ進む人数はさらに少なくなる前提で考える必要があります。

中途採用の逆算:応募から入社までの指標

中途採用には、新卒ほど体系的な歩留まりデータがありません。そのため、自社の選考実績に加えて、採用人数の確保状況などを参考にします。

2025年度下半期の中途採用で、必要な人数を「確保できた」企業は47.0%、「確保できなかった」企業は51.5%でした。業種差も大きく、医療・福祉では「確保できた」から「確保できなかった」を引いた値が−23.9%ポイント、建設業が−14.5%ポイント、機械器具製造業が−14.4%ポイントです。一方、金融・保険業は+16.3%ポイント、卸売業は+12.6%ポイントでした。

中途採用で管理したいのは、応募数、書類通過数、面接設定数、内定数、入社数の5点です。なかでも「面接設定率」は見落とせません。応募後の連絡が遅ければ、その間に他社の選考が進み、面接を設定できないまま辞退される可能性が高まります。

採用対象を広げる余地もあります。2025年度の1社あたり中途採用実績は、経験者13.9人、未経験者6.5人で、未経験者の比率は31.9%まで拡大しました。従業員5〜299人の企業では未経験者比率が41.8%に達します。経験者だけでは母集団が確保できない場合、未経験者まで対象を広げる方法もあります。

規模別・業種別に補正する

逆算に使う通過率は、企業規模や業種によって調整が必要です。

新卒採用の充足率は、2026年卒で300人未満が40.5%、300〜999人が45.2%、1,000〜4,999人が45.0%、5,000人以上が54.9%でした。300人未満企業は求人倍率が8.98倍と高いため、応募が集まりにくい前提で母集団数を多めに見積もる必要があります。

対して、大企業では内定辞退が課題になりやすい傾向があります。5,000人以上企業では「内定辞退が予定より多かった」が66.7%でした。すでに十分な応募が集まっている企業なら、母集団を増やすよりも内定承諾率を改善する施策へ予算を使ったほうが合理的です。

まず、自社が「応募不足型」なのか「辞退型」なのかを見極めます。応募が足りているのに広告費を追加したり、辞退が主因なのに母集団だけを増やしたりしても、採用課題の解決にはつながりません。

必要な母集団数の逆算から実行まで代行します

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母集団形成の手法を4タイプで整理する(全13手法)

母集団形成の手法を4タイプで整理する(全13手法)

母集団形成の手法は、候補者との接触方法によって4タイプに分けられます。

  • 求人広告・求人媒体型(4手法):媒体に求人を掲載し、探している人材からの応募を受ける
  • ダイレクト型(3手法):企業側または仲介事業者が候補者へ直接アプローチする
  • 接点・イベント型(3手法):場を設けて候補者と直接会い、関心を醸成する
  • 自社資産・関係性型(3手法):社員や自社メディアを起点に候補者とつながる

1つの手法だけで必要な母集団を集める必要はありません。採用職種や人数に応じて、2〜4手法を組み合わせるのが一般的です。

13手法の比較一覧

手法母集団の量要件適合の精度立ち上がりの速さ
転職サイト・求人サイト多い低い速い
求人検索エンジン多い中程度速い
新卒ナビサイト多い低い中程度
ハローワーク・地域媒体少ない低い速い
スカウト・ダイレクトリクルーティング中程度高い中程度
人材紹介少ない高い速い
新卒紹介少ない高い中程度
合同説明会・転職フェア中程度低い遅い
自社説明会・カジュアル面談少ない高い中程度
インターンシップ・オープンカンパニー中程度高い遅い
リファラル採用少ない高い中程度
SNS採用中程度中程度遅い
採用サイト・オウンドメディア中程度中程度遅い

求人広告・求人媒体型の4手法

媒体に求人を掲載し、転職や就職を検討している人へ届ける方法です。母集団の数を確保しやすい反面、採用要件に合わない応募も含まれやすくなります。

転職サイト・求人サイト

転職サイトに求人情報を掲載し、条件検索などを通じて求職者から応募を受けます。掲載期間や枠の大きさによって料金が決まる掲載課金型が主流です。

募集人数が多いポジションや、経験を問わない求人と相性があります。ただし、掲載後の応募数は求人原稿の内容によって大きく変わります。給与・休日・勤務地などの条件を分かりやすく記載しなければ、同じ媒体に掲載されている競合求人に埋もれやすくなります。

求人検索エンジン

Indeedなどの求人検索エンジンは、自社採用サイトや各求人媒体の情報を横断して収集し、求職者の検索結果に表示します。自社採用サイトの求人も対象となるため、求人媒体とは別の応募経路を作れます。

無料掲載のほか、有料のスポンサー求人はクリック課金型です。求人がクリックされた時点で費用が発生し、上限予算を事前に設定できます。少額から試せるため、予算を抑えながら検証しやすい手法です。

新卒ナビサイト

新卒採用向けの就職情報サイトへ企業情報を掲載し、学生からプレエントリーを集める方法です。学生が企業情報を探す際の主要な入り口のひとつで、認知獲得にも使われます。

早期選考への参加経験がある2026年卒学生は56.7%に達しました。学生が早期選考のスケジュールを知った経路は、企業の公式採用サイトが44.0%、就職情報サイトが36.4%、インターンシップ等の参加後の案内が28.9%です。

ナビサイトだけに頼らず、インターンシップや自社説明会も組み合わせることで、早い段階から動いている学生とも接点を持ちやすくなります。

ハローワーク・地域媒体

ハローワークへの求人登録や、フリーペーパー、折込チラシ、地域のバス広告などを利用する方法です。無料、または比較的低い掲載費で募集できる点に強みがあります。

勤務地の近さを重視する層や、Webを中心に求職活動をしていない層にも情報を届けられます。地域限定の職種やシフト勤務の求人では選択肢になりますが、掲載できる情報量が限られる媒体もあり、自社の特徴や仕事内容を詳しく伝える用途には向きません。

ダイレクト型の3手法

企業または仲介事業者から、候補者へ直接アプローチする方法です。採用要件に合う人材へ絞って接触しやすい一方、1件あたりの費用や運用工数が増えやすくなります。

スカウト・ダイレクトリクルーティング

人材データベースから条件に合う候補者を探し、企業側から直接メッセージを送ります。転職活動を本格的に始めていない潜在層へ接触できる点が、応募を待つ求人媒体との違いです。

2027年卒の採用方法として「スカウト・オファー型の採用」を予定する企業は33.4%で、部門別採用に次ぐ第2位でした。候補者を選んで接触できるため、採用要件との適合度を高めやすい反面、送信対象の選定やスカウト文面の作成には工数がかかります。

人材紹介(転職エージェント)

採用条件を人材紹介会社へ伝え、登録者のなかから要件に合う人材の推薦を受ける方法です。採用が決まった時点で費用が発生する成功報酬型が主流となっています。

紹介手数料の算出方法には届出制と上限制があります。届出制は理論年収に料率を掛けて算出し、料率は50%を上限に各社が届け出ます。各社が個別に料率を設定するため、公的機関が公表する全国平均値はありません。各社の公開情報では理論年収の30〜35%前後に設定されている例が多く、採用難易度の高い職種では40%を超えるケースもあります。

上限制を選択した事業者の場合、6ヶ月間に支払われた賃金額の11.0%(免税事業者は10.3%)が上限です。

〔出典:厚生労働省「紹介手数料の最高額の改正について」

自社で候補者を探す工数を抑えながら、採用要件に合う人材と会いやすい点がメリットです。一方で、複数名を採用すると成功報酬の総額も大きくなります。

新卒紹介

新卒学生を対象にした人材紹介サービスです。2027年卒で「新卒の人材紹介会社を介しての採用」を予定する企業は18.9%でした。

ナビサイトだけでは母集団を十分に確保できなかった場合の補完手段として利用できます。採用人数が1〜3名程度で、採用期限まで時間がない企業にも使いやすい方法です。

接点・イベント型の3手法

候補者と直接会う場を設け、求人票だけでは伝えきれない情報を届ける方法です。一度に集められる人数は限られますが、自社への理解や志望度を高めやすくなります。

合同説明会・転職フェア

複数企業が参加するイベントへ出展し、来場者に自社を紹介します。もともと他社を目当てに来場した人にも接触できる点が特徴です。

自社を知らなかった層へ認知を広げられるため、知名度で不利な企業にも使いやすい方法です。ただし、来場者1人あたりと話せる時間は限られています。イベント後の案内や選考への導線を用意しておかなければ、名刺やアンケートを集めるだけで終わってしまいます。

自社説明会・ミートアップ・カジュアル面談

自社主催で候補者を招き、事業内容や仕事内容、働き方などを伝えます。選考前のカジュアル面談にすれば、正式応募よりも低いハードルで接点を持てます。

現場社員が参加すれば、実際の仕事内容や職場の雰囲気も伝えやすくなります。ただし、説明会そのものに集客機能はありません。求人媒体やスカウトなどで候補者を集めたうえで、その後の接点として組み込みます。

インターンシップ・オープンカンパニー

新卒採用における主要な候補者接点です。2026年卒の内定者に自社のプログラム参加者が含まれていた企業は83.7%、内定者に占める参加者の割合は36.3%でした。

2027年卒向けのキャリア形成支援プログラム実施率は76.1%で、内訳はオープン・カンパニーが88.5%、汎用的能力・専門活用型インターンシップが33.1%です。参加者には早期選考の案内も届けやすく、採用要件に合う候補者との接点づくりと志望度向上を同時に進められます。

自社資産・関係性型の3手法

社員や自社メディアなど、すでに持っている資産や人間関係を使って候補者とつながる方法です。外部への支出を抑えやすい反面、成果が出るまで時間がかかる場合があります。退職者との再接触を行うアルムナイ採用も同じ系統に含まれます。

リファラル採用

社員から知人や友人を紹介してもらい、選考につなげる採用方法です。2027年卒でリファラル採用を予定する企業は21.4%で、前年から3.4ポイント増えました。

社員から実際の仕事内容や職場環境を聞いたうえで選考へ進むため、入社後の認識差を抑えやすい点が特徴です。ただし、制度を作るだけで継続的に紹介が発生するとは限りません。社員への周知や紹介しやすい仕組みづくりも必要です。

SNS採用(ソーシャルリクルーティング)

X、Instagram、YouTubeなどで自社の情報を発信し、興味を持った人と接点を作る方法です。低コストで始めやすく、転職活動を始める前の潜在層にも情報を届けられます。

トルトルくんの支援では、店舗内装業でX発信とIndeed運用を組み合わせ、経験20年の2級建築施工管理技士を採用しました。デザイナー採用ではSNSとIndeedを併用し、月50件の応募を獲得。採用単価は1〜2万円でした。

SNSは継続的な発信が必要なため、短期間だけで母集団を形成したい場合には向きません。投稿内容は企業イメージにも影響するため、発信方針や運用ルールも決めておく必要があります。

採用サイト・オウンドメディア

自社の採用サイトや採用ブログで、募集情報や職場の様子を公開します。求人媒体の文字数制限を受けにくく、仕事内容や社員紹介などを詳しく伝えられる点が特徴です。

求人検索エンジンでは自社採用サイトの求人情報も収集対象となるため、検索経由の応募導線としても機能します。スカウトや説明会で興味を持った候補者が詳しい情報を確認する場所にもなり、他の採用手法の成果にも影響します。

自社に合う手法の選び方

自社に合う手法の選び方

13手法すべてを試す必要はありません。採用人数や職種の専門性、予算、社内工数などから候補を絞ります。

  • 採用人数と職種の専門性の2軸で候補手法を絞る
  • 予算・工数・残り月数・実績データの有無で実行可能性を判定する
  • 新卒は接触時期、中途は対応速度が成果を分ける

「採用人数×専門性」で絞る

最初は、採用人数と職種の専門性の2軸で手法を絞ります。

条件主軸に置く手法補完する手法
少人数×高専門性スカウト、人材紹介、リファラル自社説明会、採用サイト
少人数×低専門性求人検索エンジン、地域媒体採用サイト
大量×高専門性求人検索エンジン、スカウト人材紹介、リファラル
大量×低専門性求人検索エンジン、転職サイト地域媒体、SNS

専門性が高く、採用人数が少ない求人では、不特定多数へ向けて媒体掲載するだけでは要件に合う応募が集まりにくくなります。一方、大量採用をスカウトだけで進めるには、送信や候補者選定に多くの工数が必要です。

まず組み合わせの方向性を決め、その後で具体的な媒体やサービスを選びます。

予算と工数で実行可能性を判定する

採用手法が自社に合っていても、運用できる人員や予算がなければ成果には結びつきません。確認したいのは4項目です。

第一に、採用予算の総額と1名あたりの上限単価。第二に、採用業務へ割ける週あたりの工数。第三に、採用期限までの残り月数。第四に、既存チャネルの実績データが残っているかどうかです。

工数が週5時間未満しか確保できない企業では、候補者選定や個別連絡が必要なスカウト、継続的な投稿が必要なSNSの運用は負担が大きくなります。まずは運用負荷を抑えやすい方法から始め、成果を見ながら手法を広げたほうが管理しやすくなります。

新卒と中途で選び方はどう変わるか

新卒採用では、候補者との接触時期が採用成果に影響します。内々定出しを卒業年次前年2月までに開始する企業が41.4%に達するなか、卒業年次3月から動き始める設計では後手に回りやすくなります。前年夏からインターンシップやオープンカンパニーで接点を作り、ナビサイトやスカウトへつなげる流れが増えています。

中途採用では、応募後の対応速度も重要です。連絡が遅れるほど、その間に他社の選考が進み、面接前に辞退される可能性が高まります。採用手法を決める段階で、応募後に誰が、いつまでに対応するのかも決めておく必要があります。

2026年度は「中途採用の割合を増やす予定」の企業が12.2%、「新卒採用の割合を増やす予定」が7.6%で、中途を増やす意向が上回りました。新卒だけ、中途だけと分けるのではなく、年間で必要な採用人数をどちらから確保するかまで設計する視点も求められます。

母集団形成を進める5つのステップ

母集団形成を進める5つのステップ

母集団形成は、要件定義から改善まで5つの段階に分けて進めます。

  • ①採用要件とペルソナを文書化する
  • ②必要母集団数とKPIを設定する
  • ③手法を2〜4つ選び予算を配分する
  • ④求人原稿と訴求を作り込む
  • ⑤週次で数値を確認して改善する

①採用要件とペルソナを言語化する

最初に採用の目的を具体化し、求める人材の条件を文書にします。「今後の成長のため」といった抽象的な目的だけでは、必要な人材像まで落とし込めません。

たとえば「3年以内に社内のDXを進めるため、今年度中にITスキルを持つ人材を5名採用する」まで具体化すれば、必要な経験やスキルも整理しやすくなります。

採用要件を決める方法は大きく2つあります。事業計画から必要な能力を逆算する方法と、社内で成果を出している人材の共通点を抽出する方法です。いずれの場合も、配属予定部門へヒアリングし、現場の認識とずれていないか確認します。

採用要件は、必須条件と歓迎条件に分けます。必須条件を増やしすぎると対象者が少なくなるため、必要性の高い項目に絞ります。

②必要母集団数とKPIを設定する

採用予定数と各段階の通過率から、必要母集団数を算出します。算出方法は前述した逆算式と同じです。

あわせて、応募数、書類通過数、面接設定数、面接実施数、内定数、承諾数の6項目について、目標人数と期限を設定します。各段階を数値化しておけば、どこで人数が減っているのかを把握しやすくなります。

過去実績がない企業では、公的調査の数値を初期値として利用できます。新卒採用なら、採用予定数を100とした場合の内定出し177.0がひとつの参考値です。一定期間運用した後は、自社の実測値へ置き換えます。

③手法を選定し予算を配分する

前章の基準をもとに手法を2〜4つ選び、予算を振り分けます。すべての手法へ均等に配分する必要はありません。

すでに成果が出ている手法には多めに予算を配分し、新しく試す手法には検証できる範囲で予算を割り当てます。目安として、実績のある手法に6〜7割、検証段階の手法に3〜4割を配分する方法があります。

実績がない初年度は、少額から始められる手法を複数試し、1〜2ヶ月程度で応募単価や要件適合率を比較します。その結果を見て、成果の良いチャネルへ予算を寄せていきます。

④求人原稿と訴求を作り込む

採用手法を選んでも、求人原稿で条件や魅力が伝わらなければ応募は増えません。給与、勤務地、休日、勤務時間など、求職者が応募前に確認したい条件は明確に記載します。

条件面以外でも訴求を工夫できます。トルトルくんの支援では、整体院で年間休日140日を主軸に打ち出し、応募29名から3名を採用しました。採用者の約90%が未経験者です。

内装解体業では25パターンの求人原稿でA/Bテストを行い、月30万円のナビサイトで応募2〜3件だった状態から、2ヶ月で応募12名・採用2名へ改善しました。

求人原稿は掲載後の反応を見ながら修正します。応募数が目標を下回る場合は、まず求職者の目に入りやすいタイトルや冒頭部分から見直します。

⑤週次で数値を見て改善する

募集開始後は、手法ごとの応募数や通過率を週単位で確認します。月末まで数字を見ない運用では、採用期限までに改善が間に合わない場合があります。

確認する観点は3つです。

  • 応募数が目標線に乗っているか
  • 応募者の経歴が要件と合っているか
  • 応募から連絡までの日数が短く保たれているか

トルトルくんの支援では、リフォーム業で週1回のPDCAを回し、2ヶ月で応募約40件・採用2名に至りました。居酒屋では週1回の定例で状況を反映し、面接20〜30件から店長候補と料理長候補を採用しています。

数字を確認する間隔を短くすれば、問題が発生した時点で求人原稿や運用方法を修正できます。

母集団形成がうまくいかない4つの原因と解決策

母集団形成がうまくいかない4つの原因と解決策

母集団形成がうまくいかない原因によって、取るべき対策は変わります。原因を切り分けずに広告費だけを増やしても、採用数が増えるとは限りません。

  • 応募が集まらない:露出量の不足
  • 応募が要件に合わない:訴求内容の曖昧さ
  • 選考途中の辞退が多い:対応速度と選考体験
  • 手を動かす人がいない:工数の絶対的な不足

応募が集まらない

応募数そのものが目標に届いていない状態です。300人未満企業の採用未達理由でも、「選考応募者が予定より少なかった」が77.4%で最多でした。

まず確認したいのは、求人が十分に見られているかどうかです。掲載媒体が求職者の利用するサービスと合っていない、掲載順位が低い、求人情報を長期間更新していないといった原因が考えられます。

すぐに媒体を増やすのではなく、既存媒体で改善できる部分から確認します。求人情報の更新、職種名やタイトルの見直し、スポンサー求人を利用している場合は予算設定などを確認し、それでも応募が不足する場合に別媒体への追加投資を検討します。

トルトルくんの支援では、農業資材の企業が採用困難エリアで5職種を同時掲載し、募集の窓口を広げることで2.5ヶ月で18件の応募を獲得しました。

応募は来るが要件に合わない

応募数は確保できているものの、採用要件に合う候補者が少ない状態です。書類通過率が極端に低ければ、求人原稿と採用要件が一致しているか確認する必要があります。

求める経験やスキルが曖昧な求人では、仕事内容や条件を十分に理解しないまま応募する人も増えます。必須条件を原稿の前半で示し、仕事内容も「営業」「事務」といった職種名だけで終わらせず、実際に担当する業務まで具体化します。

ターゲット設定を見直す方法もあります。トルトルくんの支援では、PR業界の企業で「根性論」を排した訴求へ変更し、フルリモートなどの働き方を言語化しました。応募210名以上から2名を厳選採用しています。

美容室の事例では、ターゲットを50〜70代に絞る設計へ変更し、大手媒体に依存せず内定2名に至りました。

選考途中の辞退が多い

応募者は集まっているものの、面接や内定の段階で候補者が離脱している状態です。5,000人以上企業の採用未達理由でも、「内定辞退が予定より多かった」が66.7%で最多でした。新卒採用全体でも、内定を出した人数のうち約49%が辞退しています。

確認したいのは、応募から初回連絡までの日数、面接日程を確定するまでの日数、面接後に合否を連絡するまでの日数です。中途採用では複数企業の選考を並行している候補者も多く、対応が遅れれば、その間に他社の選考が進みます。

面接回数を減らせないか、日程調整を早められないか、合否連絡までの社内フローを短縮できないかを確認します。候補者が選考中に知りたい情報を十分に伝えられているかも見直します。

トルトルくんの支援では、巻き爪補正のクリニックで正月三が日に打ち合わせを実施し、6ヶ月で4名の採用に至りました。採用活動では、求職者への対応速度も競合との差になり得ます。

手を動かす人がいない

採用要件や手法は決まっていても、実際に運用できる人員が足りないケースです。採用担当者が他業務を兼任している企業では、求人原稿の更新や応募者対応まで手が回らないことがあります。

母集団形成では、原稿作成、掲載管理、応募者対応、面接日程の調整、数値集計などが継続的に発生します。複数の手法を運用するほど、必要な工数も増えていきます。

社内だけで対応できない場合は、業務を切り分けます。掲載更新、日程調整、初期対応など判断を伴わない業務を外部へ移し、採用要件の決定や面接などを社内に残す方法があります。次章で外部委託の選択肢を整理します。

母集団形成を改善した支援事例

母集団形成を改善した支援事例

トルトルくんが支援した企業のうち、母集団形成の改善につながった事例を4つの型に分けて紹介します。数値はいずれも支援先企業の実績です。

  • 建設・製造:媒体と原稿の見直しで若手採用に転じた
  • 専門職:紹介依存を脱して有資格者の採用に至った
  • 大量採用:不人気時間帯でも母集団を形成できた
  • 採用単価:紹介手数料の水準から大幅に下げた

建設・製造:媒体の見直しで若手採用に転じた

内装解体業の企業では、月30万円のナビサイトを利用していたものの、応募は2〜3件にとどまっていました。25パターンの原稿でA/Bテストを行い、給与と休日の条件面も調整した結果、2ヶ月で応募12名、21歳の未経験者と31歳の経験者の計2名を採用しています。

プラント設備工事の企業では、若手向けに画像とサムネイルを刷新し、IndeedとAirWorkを併用しました。6ヶ月で応募140件を獲得し、20代の営業・施工管理を中心に6名を採用しています。

建設業は、中途採用で必要人数を確保できていない企業が相対的に多い業種です。一方、同じ業種でも求人の見せ方や媒体の使い方によって応募数が変わる事例があります。

専門職:紹介依存から脱して有資格者を採用した

UXデザインの企業では、リファラル以外の採用チャネルを持っていませんでした。UI/UXに特化した求人原稿へ見直した結果、3ヶ月で応募120件を獲得し、UI・UXデザイナー2名を採用しています。

店舗内装業では、有資格者向けの訴求を強化し、Xでの発信も併用しました。その結果、経験20年の2級建築施工管理技士1名を採用しています。医療分野では、採用難易度の高いICU看護師でリファラル依存から脱却し、採用につながった事例もあります。

専門職では、人材紹介の手数料が理論年収の30〜40%台に設定される例もあります。人材紹介以外の採用経路を持つことで、採用単価を抑えられる余地があります。

大量採用:不人気時間帯でも母集団を作れた

ビル清掃の企業では、夜勤・早朝帯の人手不足が課題となっていました。時間帯ごとに募集対象を分けて求人を設計した結果、6ヶ月で応募218件、正社員2名とアルバイト100名以上を採用しています。

福祉分野では、看護師・夜間スタッフ・現場スタッフを職種別に設計し、3ヶ月で16名を採用しました。韓国コスメの企業では、経理・事務職のターゲットを設計し、3ヶ月で10名を採用しています。

職種や勤務時間によって求人を分ければ、同じ会社の募集でも候補者ごとに伝える内容を変えられます。

採用単価:紹介手数料の水準から大幅に下げた

整体院では年間休日140日を主軸に訴求し、応募29名から3名を採用しました。採用単価は50万円から15万円へ、約70%減少しています。

通信営業の企業では、地方エリア別に求人を出し分け、対面面談を組み合わせました。6ヶ月で6名を採用し、人材紹介経由で80万円だった採用単価を15万円以下まで下げています。

飲食業でも、採用単価100万円が常態化していた状態から5〜6万円まで削減した事例があります。

母集団形成を外部に任せる選択肢

母集団形成を外部に任せる選択肢

社内だけでは採用業務の工数を確保できない場合、母集団形成の実務を外部へ委託する方法があります。判断材料は主に3点です。

  • 任せられる範囲は原稿作成・掲載管理・応募者対応・数値集計
  • 社内に残すのは採用要件の決定と面接・内定の判断
  • 料金体系は定額制と成果報酬型で総額が変わる

採用代行(RPO)で任せられる範囲

採用代行は、採用業務の一部または全部を外部事業者へ委託するサービスです。母集団形成に関する業務では、求人原稿の作成、媒体選定や掲載管理、スカウト送信、応募者への初期対応、面接日程の調整、数値集計や報告などを任せられます。

一方、採用要件の最終決定や面接、内定の判断は社内に残すのが基本です。自社が必要とする人材の判断まで外部へ任せると、採用要件と実際の採用者にずれが生じる可能性があります。

外部委託のメリットは、単に社内工数を削減できることだけではありません。複数企業を支援する事業者であれば、過去の採用実績や媒体運用の知見をもとに施策を始められるため、自社だけでゼロから検証する範囲を減らせます。

定額制と成果報酬型の違い

採用代行の料金体系は、月額固定の定額制と、採用が決まった時点で費用が発生する成果報酬型に分かれます。

定額制は採用人数が増えても月額料金が変わらないため、複数名の採用を予定している企業では1名あたりの費用を抑えやすくなります。求人運用や応募者対応など、継続的に作業が発生する母集団形成とも相性があります。一方、採用人数が少なければ割高になる場合があります。

成果報酬型は、採用に至らなければ費用が発生しない点が特徴です。ただし、どこまで母集団形成の実務を支援してもらえるかはサービスによって異なります。人材紹介と比較する場合は、理論年収に対する手数料率と採用予定人数から総額を計算する必要があります。

トルトルくんの特徴

トルトルくんは、月額10万円から利用できる定額制の採用代行です。求人広告、求人検索エンジン、スカウト代行、人材紹介、ダイレクトリクルーティング、リファラル、SNS運用を含む13の採用手法から、応募獲得につながる方法を検証して実行します。初期費用と成功報酬はなく、問い合わせから最短3日で開始できます。

成果報酬型ではないため、採用決定時に理論年収に応じた手数料が発生する仕組みではありません。母集団形成から日々の採用実務までまとめて任せたい企業が利用しやすい料金体系です。

運営はStockSun株式会社です。StockSun全体の実績として、累計支援社数2,900社超、年間問い合わせ数2,400件超、コンサルティング継続率94%超を公表しています。いずれもトルトルくん単体ではなく、StockSun全社の数値です。

〔出典:StockSun株式会社「StockSunとは」

母集団形成に関するよくある質問

母集団形成に関するよくある質問

母集団形成の読み方は?

「ぼしゅうだんけいせい」と読みます。「母集団」は統計学で調査対象となるデータ全体を指す用語で、採用の文脈では選考対象者全体を意味します。

採用における「母集団」とは何ですか?

母集団とは、採用選考の対象となる候補者全体を指します。求人広告への応募者、スカウトへの返信者、人材紹介からの推薦者、社員紹介の候補者などが含まれます。

もともとは統計学で調査対象となるデータ全体を意味する用語で、採用分野へ転用されました。どの段階から母集団として数えるかは企業によって異なるため、社内で定義を統一しておく必要があります。

母集団形成の言い換えはありますか?

「候補者集め」「応募者集団の形成」「採用の母数づくり」などが近い表現です。英語ではrecruitment pipeline、candidate pool、talent poolなどが使われますが、一対一で対応する英単語はありません。

母集団形成の例を教えてください

求人検索エンジンへ求人を掲載して応募を集める、人材データベースから候補者へスカウトを送る、社員から知人を紹介してもらう、インターンシップ参加者から選考希望者を集めるといった活動が母集団形成にあたります。

採用する職種や人数によっては、1つの手法だけでなく、複数の手法を組み合わせて母集団を確保します。

母集団は何人集めればよいですか?

採用予定数から、各選考段階の通過率を使って逆算します。新卒採用では、2026年卒の実績で採用予定数を100としたとき、内定出し人数は177.0でした。採用1名に対して平均1.77名へ内定を出している計算です。

応募段階ではさらに多くの人数が必要です。自社の書類通過率や面接通過率が分かっていれば、「採用予定数÷(書類通過率×面接通過率×内定率×内定承諾率)」で必要な母集団数を算出できます。

母集団形成は新卒と中途でどう違いますか?

新卒採用では候補者と接触する時期、中途採用では応募後の対応速度が採用成果に影響します。

新卒では、内々定出しを卒業年次前年2月までに開始する企業が41.4%に達しています。そのため、前年夏からインターンシップなどで学生との接点を作る企業も増えています。

中途では他社の選考と並行して進むケースが多いため、応募後の連絡や面接調整が遅れると、選考前に辞退される可能性があります。

費用を抑えて母集団形成する方法はありますか?

求人検索エンジンは無料で掲載を開始でき、有料のスポンサー求人もクリック課金型で上限予算を設定できます。リファラル採用や自社採用サイトを活用すれば、外部媒体への支出を抑えながら候補者との接点を作ることもできます。

ただし、リファラル採用や採用サイトは短期間で大量の応募を集める手法ではありません。採用期限や必要人数も踏まえて、ほかの手法と組み合わせます。

母集団形成にはどのくらいの期間がかかりますか?

必要な期間は採用手法によって異なります。求人検索エンジンや人材紹介では、着手から数日〜数週間で応募や推薦が発生する場合があります。一方、SNS採用や採用サイトは継続的な運用が必要で、成果が出るまで数ヶ月かかることもあります。

トルトルくんの支援事例でも、1ヶ月で応募50〜100件を獲得した運送業から、6ヶ月で応募218件を積み上げた清掃業まで幅があります。

母集団形成を外注する費用はどのくらいですか?

採用代行の費用は、定額制か成果報酬型かによって異なります。トルトルくんは月額10万円からの定額制で、初期費用と成功報酬は発生しません。

成果報酬型や人材紹介と比較する場合は、採用予定人数まで含めた総額で判断します。人材紹介では、理論年収の30〜40%台に手数料を設定している例もあります。

まとめ

まとめ

母集団形成とは、自社の採用要件に合う候補者を、選考に必要な人数だけ集める活動です。要点を整理します。

  • 採用計画を充足できた企業は2026年卒で44.2%。300人未満企業では40.5%で、未充足だった企業の77.4%が応募者不足を理由に挙げた
  • 必要母集団数は「採用予定数÷各段階の通過率」で逆算する。新卒では採用1名につき内定出し1.77名分が目安
  • 手法は4タイプ・13手法に整理でき、採用人数と専門性の2軸で候補を絞る
  • 停滞の原因は「応募が集まらない」「要件に合わない」「途中辞退が多い」「工数がない」の4つ。原因ごとに打ち手が異なる
  • 工数が不足している場合、判断を伴わない作業を外部へ移し、要件判断と面接を社内に残す分担が現実的

最初に行うのは、採用要件の言語化と必要母集団数の算出です。必要な人数を把握しないまま募集を始めると、採用期限が近づいてから不足に気づく可能性があります。

母集団形成の設計から実行まで、月額10万円〜で任せられます

トルトルくんは定額制の採用代行サービスです。13の採用手法から自社に最も応募が集まる方法を検証し、求人原稿の作成から応募者対応まで実行します。

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